中学生・高校生が聞く!
東京の魅力を伝える、観光のスペシャリストを直撃!
Part.1 SNSでは見つけられない情報がここにはある!
都庁内にある東京観光情報センター
都庁内にある東京観光情報センター
国内外から訪れる観光者に、コンシェルジュと呼ばれる観光のスペシャリストが観光情報を提供する「東京観光情報センター」。東京都庁をはじめ、都内5カ所に設置されています。どんな人が、どんな情報を求めてここを訪れているのか。コンシェルジュってどんな仕事?今回は、「都庁本部」と呼ばれる都庁内にある東京観光情報センターでお話しを伺いました。
今回の取材メンバー
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なつき Natsuki
お話を聞いたのは…?
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遠藤祐恵さん Ms. Endo
東京観光情報センター
監督責任者兼東京都庁
マネージャー -
金裕美さん Ms. Kon
英語担当 -
菅谷瑞紅さん Ms. Sugaya
中国語担当
訪れたのは…?
東京都庁内 東京観光情報センター
東京都庁第一本庁舎1階にある、東京観光情報センター。東京都内区市町村のパンフレットや博物館・美術館などのパンフレット、イベント情報など、さまざまなパンフレットが日本語、英語、中国語、韓国語で揃えられており、コンシェルジュもこの4カ国語に対応。日本人・外国人を問わず、多くの人が東京の観光情報を求め、ここを訪れている。
4カ国語で東京の観光情報を発信
東京観光情報センターって、
何をしているところなんですか?
東京の観光情報を日・英・中・韓の4カ国語で発信しています。
遠藤さん: Ms. Endo: 名前のとおり、東京の観光情報を発信しています。東京都内には都庁内、バスタ新宿、羽田空港、京成上野駅、エキュート立川の5カ所に設置されています。ここ、都庁にある東京観光情報センターのことは、私たちは都庁本部と呼んでいます。島しょ部も含め、東京全域の資料を取り揃えており、紙ベースの資料だけでなく、それぞれの区市町村の名前の脇にQRコードをつけ、これを読み込むとそれぞれの観光協会のホームページに飛べるようになっています。言語は日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語に対応しており、それぞれの言語担当のコンシェルジュがお客さまのニーズに沿ったご案内をしています。
1日に何人くらいの利用者が
いらっしゃるんですか?
季節や曜日、天候によってもすごく左右されるんですが、平均すると大体500人くらいです。
500人も!
日本人と外国人の割合はどれくらいですか?
来場者という意味で言えば半々くらいですが、ご案内させていただくのは外国人の方(かた)が圧倒的に多いです。
遠藤さん: Ms. Endo: 都庁には展望室がありますよね。この展望室、無料ということもあって、とても人気があり、平日でも1時間くらい並ぶことがあります。感覚では展望室に行かれる方の8~9割は外国人で、その帰りにこのセンターにいらっしゃるケースが多いんです。来場者としては日本人と外国人の割合はだいたい半々ですが、何かご相談をいただいて私たちがご案内するのは外国人の方が圧倒的に多いですね。
外国人の利用者で増えている相談は、「文化体験がしたい」
外国人の方の相談は、どんな内容が多いんですか?
桜や花火を見たい、文化体験がしたいなど、体験型の観光がしたいというご相談がとても多いです。
遠藤さん: Ms. Endo: ご相談の内容も季節によってかなり違うんですが、やはり春は桜が見たい、夏は花火が見たい、どこに行けば見られますか、という方がたくさんいらっしゃいます。最近すごく増えているのが、日本ならではの文化体験をしたいとおっしゃる方。たとえば茶道体験や歌舞伎鑑賞、日本食の料理教室など、多岐にわたります。あと、これは少しハードルが高いんですが、相撲部屋の朝稽古がみたい、とか。ご自身でもSNSなどでいろいろと調べられていて、コンシェルジュが今まで受けたことが無いようなご相談も増えています。日本食も人気なので、昨日はうどんとラーメンを食べたんだけど、次に食べるなら何がおすすめですか、などと聞かれる方もたくさんいらっしゃいますね。
そういう文化体験って、こちらで予約までしていただけるんですか?
予約はできないんですが、利用者の方が目的を達成できるところまでお手伝いします。
遠藤さん: Ms. Endo: ここの業務として、残念ながら私たちが予約をお取りすることはできないんです。ただ、ご自身で目的を達成するまでのお手伝いをさせていただきます。たとえばサイトから予約できるものであれば、英語や中国語、韓国語があるサイトならそのサイトをお伝えし、空き状況まではここで確認して、ご自身でご予約いただきます。コンビニで買えるチケットであれば、「〇〇のチケット、何月何日、大人2名、購入のお手伝いをお願いします」というメモを日本語と英語で書いて、「これをレジの方に渡してくださいね」と言ってお渡しすることもあります。そのときどきで少しずつ方法は変わりますが、解決できるところまでのお手伝いを心がけています。温泉や銭湯に行ってみたいという方もいらっしゃるので、その方がタトゥーのある方であれば、タトゥーがオーケーなのかどうか、小さいものであれば絆創膏などで隠せばオーケーなのかを確認してご案内します。利用者の方が困らないように一歩先、二歩先を想定してご案内しています。
日本人の方の相談で多いのはどういう内容ですか?
美術館や博物館などの情報を求める方も。実は毎週いらっしゃるような常連さんもいるんです(笑)。
遠藤さん: Ms. Endo: アクセスのご案内だけの方ももちろん多いんですが、実はわりと常連の方もいらっしゃって。週1回、多い方だと週に何回もいらっしゃる方もいるんです。目的は美術館や博物館の企画展のチラシですが、ここのコンシェルジュが自分たちで毎月オリジナルで作っている、各地で行われているお祭りやイベントを紹介する「月の行事」、美術館や博物館の企画展などを紹介する「おもな美術館・博物館スケジュール」という資料を目当てにお越しになる方もいらっしゃいます。これを目的にいらっしゃるので、まっすぐカウンターに向かってきて「行事予定ください」っておっしゃったり。あとは、なんとなくテーマとエリアは決まっているけど詳細が決まっていない、というようなご相談もありますね。これは日本人の方に限ったことではありませんが、まずはその方が何を求めているのかをお伺いしていって、こちらからいろいろ提案をして、だんだん決まっていく、という形です。
いろいろとお話をしていく中で
決まっていくんですね。
情報提供以外に利用者が楽しめる工夫がいっぱい!
ここにはパンフレット以外にもいろいろなものが置いてありますね?
情報提供だけでなく、いらした方に喜んでいただける工夫をしています。特に今はスタンプが大人気です!
遠藤さん: Ms. Endo: 今、特に外国人の方に人気なのが、スタンプです。ここでも東京都のスタンプと東京観光情報センターオリジナルのスタンプを用意しています。スタンプのデザインは5カ所ある支所ごとに全部違います。皆さんスタンプ帳のようなノートをご自身で持っていらして、スタンプを目当てにいらっしゃる方も。ここに行列ができていることもあります。このスタンプはスタンプ台のいらないインク内蔵式のスタンプです。1つ困ってしまうのは、外国人の方はこのタイプをご存じない方が多くて、ものすごく力を入れて押される方が多いんです。それでたまに壊れてしまうこともあって…(笑)。
あと、「Where are you from?」と書いたボードがあって、国旗のところにシールを貼っていただいています。必ずと言っていいほど、外国人の方は目に止めて参加してくださり、喜ばれています。情報提供だけでなく、いらした方に楽しんでいただける工夫、喜んでいただける工夫をしています。
利用者の方に対応するときに、どのようなことを心がけていますか?
たくさんお話をして、プラスアルファの情報をご提供できるようにしています。
遠藤さん: Ms. Endo: 外国人の方に対応する際気を付けているのは、宗教の問題です。わかりやすいのは食べ物ですね。宗教によっては食べてはいけないものがあります。ムスリムの方は豚肉が食べられません。一見、豚肉が入っていないように見えても、実は出汁に使われている、ということもあるので、食事のご案内をするときには何かそうした制限はあるのかを、まず確認してからご案内するようにしています。あとは滞在中に目いっぱい楽しんでいただきたいので、「何日くらいのご滞在ですか?」「来日何回目ですか?」「昨日はどこに行かれたんですか?」など、あまり質問攻めにしないように注意しながら、利用者さまの情報を引き出すようにしています。そのうえで、たとえばその方が隅田川の花火を見たいということであれば、この辺で見られますよ、という情報を提供する以外に、「駅の反対側ですが、こういうところもあるんです」など、何かプラスアルファの情報をご提供できるようにしています。これは、こちらにいるコンシェルジュ全員が心がけていることです。
聞かれたことだけではなく、プラスアルファが大切なんですね!
各言語担当のコンシェルジュに聞いてみた!
私は英語担当ですが、
もちろん日本人の利用者さまの対応もします。
金さん: Ms. Kon: その方が日本人なのか外国人なのか、日本人でもどこからいらしたのか、お若い方なのかご高齢の方なのか、それぞれ対応は異なってきます。たとえばご高齢の方だとスマホなどの電子端末を使われない方もいらっしゃるので、その場合は紙の地図にしっかりと印をつけてお渡しします。長期滞在と短期滞在でもご相談の内容は変わってきます。短期の方はご自身である程度計画を立てられてきていて、アクセスを聞かれることが多いのですが、長期の方は「1カ月いるんだけど、東京で何をしたらいい?何ができるの?」という、非常にざっくりとしたところから始まることもあります。その場合はたくさんお話をしてその方の興味・関心などを引き出しながら、いろいろとご提案をしていきます。私たち自身が、常にご提案できる情報をたくさん持っていることが必要なので、日頃からアンテナを張り巡らせています。印象に残っているご相談では、「書道体験をして友だちに持って帰りたいんだけど、自分で書くのではなく、誰かに書いて欲しい」というもの。何とか調べてご案内しました!
私は中国人で、中国語を担当しています。
菅谷さん: Ms. Sugaya: 中国人の方の対応をするときは、地理がまったくわかっていない方がほとんどなので、一緒に地図を見ながら「あなたが今いるのはここですよ。次に行こうとしているのはここですよ」と、まずは位置関係からご説明します。電車の乗り換えなども、日本人の方なら「この駅でこの線に乗り換えて」とご説明するだけで大丈夫ですが、中国人の方だと同じ漢字を使う文化でも読み方が全く違うので、駅の名前や路線の読み方からご案内しています。私自身日本に来て30年以上になるのですが、まだまだ文化や歴史など勉強しなければならないことがたくさんあります。利用者の方と一緒にパンフレットを見ながら、ていねいにご説明するようにしています。
クイズに挑戦 !!
クイズで楽しく振り返ろう!
Q.東京観光情報センターは何カ国語に対応している?
*答えは記事の最後に掲載。
取材を終えて
なつき Natsuki
多言語のパンフレットがとてもわかりやすく整理されていることが印象的でした。
コンシェルジュと言うと「高級ホテルにいる人」というイメージで、中学生の自分にとっては遠い存在だと思っていましたが、今回の取材を通して身近なところにある仕事なんだと感じました。
「東京のあらゆる場所に、観光客の視点と住民の視点、2つの視点を常に持ちながら訪れ、情報を整理している」と聞き、とても尊敬できる仕事だと思いました。
また、さまざまなバックグラウンドや価値観を持つ方と交流し、対話を通してお客さまのニーズに合ったプランを提供するこの仕事は、とても魅力的だと感じました。
取材を終えて、東京にはまだまだ自分が知らなかった魅力がたくさんあることがわかりました。
私も生活者としての視点、観光客としての視点を持ちながら、
これからの日々を過ごしてみたいと思います。
- クイズの答え:
- B. 4カ国語
東京観光情報センターは5カ所。興味を持ったら、ぜひ行ってみて!
東京観光情報センターこの記事はいかがでしたか?