中学生・高校生が聞く!
「2050東京戦略」って何?私たちにどんな関係があるの?
オンライン取材で都の担当者を直撃してみた!
2050年代に目指す東京の姿「ビジョン」を実現するため、2035年に向けて取り組む政策を取りまとめた、「2050東京戦略」。東京都のホームページには、その本編や概要版、英語版などが掲載されています。「『2050東京戦略』って、何のためにどうやって作られたの?」「たくさんのことが書かれているけど、私たちに関係があるのはどの部分?」「これが実現すると2050年代にどんな東京になるの?」。「2050東京戦略」を読んだ取材メンバーが、オンライン取材でさまざまな疑問をぶつけました!
今回の取材メンバー
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あやね Ayane -
オイヤン Oiyan -
こうしん Koshin -
しずな Shizuna -
たかけん Takaken -
なつき Natsuki -
ほだか Hodaka -
まさき Masaki -
りっせん Rissen
お話を聞いたのは…?
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中村薫子さん Ms. Nakamura
東京都政策企画局
計画調整部計画調整課
「2050東京戦略」とは?なぜこれを作ったの?
東京都の中で、この「2050東京戦略」はどのような位置づけなのでしょうか?
僕たちが友人に説明するとしたら、どのように説明するとわかりやすいですか?
「2050東京戦略」は一言で言うと、皆さんが大人になった頃の東京がもっと良くなるための、東京都の戦略です。
中村さん: Ms. Nakamura: たとえば子供も大人も、みんなが安心して暮らせるためにはどういうことをすればよいのか、世界中の人に「東京ってすごい」と思ってもらえるような街にするためにはどうすればよいのか、そして、そんな未来の東京を作るために今から何をすべきか、ということを考えたものになっています。
「2050東京戦略」は、なぜ、何のために必要なのでしょうか?
今起こっているすごいスピードの世界の変化、これから起こる変化を考えて上手に活用すれば、東京はもっと元気で素敵な街になると思います。そのための「2050東京戦略」です。
中村さん: Ms. Nakamura: 皆さんもニュースや学校の授業で聞いていると思いますが、今、世界ではいろいろなことがとても速いスピードで変わってきています。たとえば少子高齢化や、地球温暖化、AIなどのテクノロジーの進化のスピードもとても速いですよね。このことを少し怖いと感じる人もいるかもしれませんが、東京都では「これは怖いことだけではない、こうしたたくさんの変化、スピードの速い変化を活かすことが新しいチャンスになるのではないか」と捉えています。これから起こりそうな変化を想定し、それを上手に活用することができれば、東京はもっと元気で素敵な街になり、新しい未来を作ることができると思っています。そこで、「東京にどんな街になって欲しいか、そのために今から何をするべきか」ということをまとめた、「2050東京戦略」を作りました。
よくわかりました!
この「2050東京戦略」は、どのような過程を経て作られたのでしょうか。
東京都に住んでいる、たくさんの方に意見を伺いました。小学生や、皆さんと同世代の中高生の声もしっかり聴いています。
中村さん: Ms. Nakamura: この戦略は、東京都の職員だけで作ったものではありません。東京に住んでいるたくさんの人から「東京をもっとこんな街にしたい」という思いを教えていただきました。ご意見を募集したところ、集まったご意見は27,915件。これはとても大きい数字で、東京都でこうした総合的な戦略を作る際にご意見を募集した中で一番多い数になっています。それだけたくさんの方が東京の未来について考えてくださったのだと認識しています。ご意見をくださったのは大人だけではありません。小学生や、皆さんと同世代の中高生の声もしっかり聴いています。皆さんの考えを大切にして、東京の未来を考える戦略を作りました。
もっと知りたい!「2050東京戦略」
2050年代のビジョンとして、「成長」と「成熟」が両立した「世界で一番の都市・東京」とありますが、ここで言われている「成長」と「成熟」の違いを教えてください。
成長は、新しいことに挑戦してどんどん発展し続けるような都市、成熟は、みんなが安心して暮らせる、また、昔から続く魅力も大切にして高めていくような都市をイメージしています。
中村さん: Ms. Nakamura: この、「成長」と「成熟」を両方実現したときに、東京が世界で一番の都市になると考え、こうしたビジョンを掲げています。
「成長」と「成熟」が両立した「世界で一番の都市・東京」とは、具体的にどのような都市がイメージされているのでしょうか?
ダイバーシティ、スマートシティ、セーフシティ、この3つのシティが実現した東京をイメージしています。
中村さん: Ms. Nakamura: まず一つ目に、誰もが自分の夢や希望を叶えられて、一人ひとりがもっと輝ける東京、これを戦略の中ではダイバーシティと呼んでいます。次に東京の良いところをさらに伸ばして、元気いっぱいでにぎやかな東京、これをスマートシティと呼んでいます。最後に、災害にも強く、これからもずっと安心して暮らせる安全な東京、これをセーフシティと呼んでいます。この3つのシティが実現した、そんな東京をイメージしています。
とても楽しみな東京ですね!
中高生にとっての「2050東京戦略」とは?
ダイバーシティ、スマートシティ、セーフシティの中で、私たちに関わりの深い項目、必ず読んでおいたほうが良い項目があれば教えてください。
中高生の方が一番身近に感じられるのは、ダイバーシティかもしれません。
中村さん: Ms. Nakamura: この3つのシティ、すべてに東京都のイチオシの取り組みがぎゅっと詰め込まれているので、これ!というふうに選ぶのは難しいのですが、中高生の方が一番身近に感じられるのはダイバーシティかなと思います。ダイバーシティの部分には、中高生の皆さんを応援する取り組みがたくさん書かれています。たとえば、若者の声を活かし、若者と共に社会を変えていく取り組みだったり、留学支援をはじめとする若者のチャレンジを応援する取り組みなどです。また、スマートシティの部分には観光などで東京を魅力的な街にするための取り組み、セーフシティには環境にやさしい東京を目指す取り組みや地震などの災害から皆さんを守るための取り組みが書かれています。興味のある分野を見つけて、そこから読んでいただけるとうれしいです。
今教えていただいた項目以外にも、私たち中高生におススメのページはありますか?
昔から比べると東京はこんなに良くなっている、という成果を紹介しているページもぜひ読んでいただきたいです。
中村さん: Ms. Nakamura: 「2050東京戦略」の中には、これまでにご紹介した、未来に向けてこれから何をするのか、という取り組みを紹介したページ以外に、これまでの成果を紹介したページもあります。ここで成果の一部を紹介させてください。一つ目は公園がたくさん増えたことです。東京は緑が少ないというイメージがあるかもしれませんが、実はたくさんあって、2019年から東京ドーム40個分もの広さの都立の公園が新しくできています。次に留学にチャレンジする人が増えています。東京都は若い人が海外で学ぶ留学を応援しています。その結果、東京都の支援を受けて留学した方が2021年には66人でしたが、2024年には4,480人に増えました。もう一つ、世界の都市を比べるランキングがあるのですが、東京はニューヨークを抜いて世界第2位になりました。世界の観光地を比べるランキングでは1,000以上の都市から東京が1位に選ばれています。このように東京がどんどん良くなっていることを知っていただくために、成果のページも読んでいただけたらと思います。
「2050東京戦略」をさらに深堀り!
留学支援のお話があったのですが、僕も留学したいと考えているので少し詳しく教えてください。どんな国にどれくらいの期間行くことができて、どのような支援を受けられるのでしょうか?
留学先の国の指定は特にありません。短期コースと中長期のコースがあります。
中村さん: Ms. Nakamura: 短期コースについては500名の方を募集し、国によって金額は変わりますが、たとえばアメリカですと90万円を支援しています。中長期コースでは100名の方を募集し、最大315万円の支援を行っています。
留学のハードルが下がるので、とても興味がありました。友人にも教えたいと思います!
世界都市ランキングで東京が第2位ということですが、評価項目の中で経済の部分が比較的低かったと思います。1位のロンドンを抜いて、東京が世界一の都市になるためには、やはり経済が課題になると思いますが、これに対応する政策があれば教えてください。
ご指摘いただいたとおり、経済分野は東京都としてもこれから頑張っていかなければいけない分野だと考えています。
中村さん: Ms. Nakamura: 「2050東京戦略」の中でも、世界をけん引するような国際金融都市を目指して、いろいろな施策を発信しています。また、国内においては、スタートアップに挑戦する若者が増えるとおのずと経済が発展していきますので、皆さんのような若い方に対して、スタートアップやアントレプレナーシップ(起業家精神)について、挑戦を応援する施策を進めています。
「2050東京戦略」を実現する上での課題を教えてください。
2050年代という遠くの目標に向けて、2035年までにどのようなことをすればいいのか、具体的な目標を定めています。
中村さん: Ms. Nakamura: 2050年代という遠いところを目指していると、具体的に今何をすればいいのか、ということを見失ってしまう、ということがあると思います。そのため、2035年までに何をすればいいのか、という具体的な目標を定め、その目標をどこまで達成したかということを毎年チェックし、足りないところを政策で強化する、という形で戦略をきちんと推進できるよう取り組みを進めています。
東京の未来に向けて、僕たち中高生にできることはありますか?
東京の未来を想像し、そのために何が必要なのかを考えてみて欲しいと思います。
中村さん: Ms. Nakamura: 「2050東京戦略」では、皆さんが大人になった頃、2050年代の未来の東京のビジョンを掲げていますが、これに加え、AIを活用して100年後の東京の未来予測も行っています。そこには120才まで死ねない社会であったり、瞬間的に物を移動させるテレポーテーションの技術が実現しているなど、夢のようなアイデアがたくさん書かれています。夢物語のように思えるかもしれませんが、東京の未来をより良いものにしていくためには、これまでに無い発想で未来を展望していくことが大切です。ぜひ中高生の皆さんにも東京の未来を想像していただき、そのために何が必要なのかを考えてみて欲しいなと思います。そして、いろいろなことにチャレンジしてもらえるとうれしいです。
「2050東京戦略」をもっと知ってもらうために
「2050東京戦略」をより多くの方に知っていただくために、どのような課題がありますか?
自分には関係無さそう、難しそうと思われて興味を持ってもらえず、知っていただくきっかけを逃してしまうことが課題だと思っています。
中村さん: Ms. Nakamura: 「2050東京戦略」には、もっと暮らしやすい東京にするにはどうすればいいのか、みんながもっと活躍できる街にするにはどうすればいいのか、といった、皆さんに関係すること、身近なことがたくさん書かれています。この戦略は自分たちの未来の話なんだ、ということを都民の皆さんに知っていただき、興味を持っていただくことが大切だと考えています。
「2050東京戦略」をより多くの中高生に知ってもらうために、ぜひPRをお願いします!
2050年は中高生の皆さんが大人になって活躍している頃。未来の主役である皆さんにぜひ読んでいただきたいです!
中村さん: Ms. Nakamura: 皆さんが大人になって活躍している2050年代、その頃の東京がどうなるのか、そのためにどんな取り組みを東京都が進めているのか、ぜひ未来の主役である皆さんに読んでいただき、未来の東京について考えてみていただけるとうれしいです。本編はかなりページ数が多いのですが、分かりやすくまとめたポケット版や、子供向けにマンガにしたもの、気軽に見られるようなショート動画なども作成しています。そうしたものを見て、少しでも興味を持っていただけたら、と思っています。
クイズに挑戦 !!
クイズで楽しく振り返ろう!
Q.「2050東京戦略」策定の際に都民に意見を募集したら、何人の意見が集まった?
*答えは記事の最後に掲載。記事の中にも答えがあるよ!
取材を終えて
あやね Ayane
事前に読んだ資料では、政策や数値、グラフが多く並んでおり、全体像や意図をつかむのが難しいと感じてしまい、「2050東京戦略」がどのような計画なのか、正直あまり実感を持てていませんでした。
しかし、実際にインタビューを通してお話を聞くことで、この戦略が2050年代までに東京をどのような都市にしていきたいのか、その方向性や目標を示した計画であることが分かりました。
数字だけでは見えなかった背景や考え方を知ることで、東京の未来を自分ごととして考えるきっかけになりました。
「2050東京戦略」には、中高生や若い世代の将来に直接関わる施策も含まれており、自分たちの生活や進路と無関係な話ではありません。
そうした内容であれば、周囲の人とも自然に共有できると感じました。
そのため、まずはマンガなどの読みやすい資料から、友人と一緒に目を通してみたいと思いました。
こうしん Koshin
今回のインタビューを通して、東京都が僕たち中高生の声も拾った上で戦略を作成しているということを知り安心しました。
2050年は、ちょうど自分たちが40才くらいになる未来で、「自分ごと」として聴き、考えることができました。
変化が激しい時代だからこそ、チャンスを生み出そうとする姿勢にワクワクしました。
夢みたいな話でも、都が目指すことを知って自分たちが積極的に関わることで、本当に実現につながるかもしれないと感じました。
「未来をぜひ想像してみてほしい」という言葉が印象に残っています。
これからは、「2050東京戦略」をもっと読み込んで、自分なりに情報を集めていきたいです。
ただ受け身で生きるだけではなく、自分から調べて、考えて、何かに挑戦してみることが大切だと思いました。
未来は誰かが決めるものじゃなくて、僕たちが関わって創り上げていくものだからこそ、まずは理解するところから始めたいです。
しずな Shizuna
私たちが大人になったとき、どんな東京が広がっているのかが分かりやすく書かれていました!
ポケット版と全ての内容が書かれているものどちらも読んだのですが、現状の課題がグラフ化されていて、書かれていることがすんなり頭に入ってきました。そしてほぼ全ての項目がAIによる要約がされているのに驚きました!
AIが人間を超えると「2050東京戦略」の中でも語られていますが、臨機応変に課題と変化を体感できるのは人間だと思うので、「社会は変化していくもの」という意識を持ってさまざまな場所に目を向けるよう行動したいです。
私はかなりの心配性で、自分が大人になったときを想像するだけで不安で怖いのですが、「2050東京戦略」はお守りのような感覚です。
この戦略は東京都だけではなく、東京に住んでいるたくさんの人の力で実現されていくものだと思います。
何か自分でも行動をしてみようと思える人が増え、少しでも実現される可能性が高くなればいいなと思っています!
たかけん Takaken
実際に「2050東京戦略」の調整に携わった方にお話を伺えるという、とても貴重な機会を体験できてとても良かったと思っています。
これまで存在を耳にしたことすら無かった「2050東京戦略」の思い描くものとその内容がとてもよくわかりました。
この東京都の取り組みを中高生含めた都民全員と共有し、輝かしい未来に向けて同じようなイメージを持つことが重要だと考え、それを我々は発信していくのだと改めて感じました。
各政策についてとても詳しくわかりやすくイラスト付きで紹介されているのですが、政策一覧とその達成状況を表にしたようなものがあるともっとわかりやすいなと思いました。
東京アプリでも紹介されると良いかもしれません。
なつき Natsuki
私たちの住む東京は、先々のことを考えて、綿密に計画を立てているのだと知り、都民であることを改めて誇らしく思いました。
また、私たちのような中高生も、立派な一都民として意見を言ったり、知ろうとしたりすることができるのだと実感し、今積み重ねている経験をいつか東京都に還元したいと感じました。
私たち中高生は、都民であるのにも関わらず、あまり都政を知ろうとしていないような気がします。
自分たちに関することが都では議論されているのにも関わらず、どこか他人ごとになってしまっています。
この壁を乗り越えるため、一人の中高生として都政への関心を表し、誰でもできるような簡単なことでも周りを巻き込みながら進み、大きな一歩にしたいと考えました。
ほだか Hodaka
「2050東京戦略」の内容について深く理解ができたとともに、趣旨や施策の対象などがわかりました。
2050年代には僕は40才くらいになっているので、自分の将来の理想のビジョンを見つつ、暮らしやすい街になってほしいです。
個人的には、防災に関する政策がとても興味深かったです。
南海トラフ巨大地震や首都直下地震などの地震だけでなく、近年の温暖化など幅広い分野について取り扱われていました。
友人と「2050年」について話し合ってみました。どれだけAIなどの技術が進歩するのかなど、期待もあるけど不安でもあるね、と話しました。
その話をした後に、「2050東京戦略」について説明しました!!
まさき Masaki
戦略の策定にあたり、約3万件もの都民の意見が反映されていることに驚きました。
単に大人が決めた方針ではなく、子供も含む、多くの人の思いが詰まっているからこそ、世界から認められる都市を目指せるのだと感じました。
特に「成長」だけでなく、安定を意味する「成熟」を両立させるという視点は、これからの東京にとって不可欠だと思います。
まず、今回学んだビジョンを自分の言葉で周囲に発信することから始めたいです。
「自分ごととして感じられることが大切」というお話があり、自分も東京をより良くする当事者の一人であるという意識を持ちました。
まずは、知り合いに「2050年の東京ってこうなるらしいよ」と話題を振るなど、行動しようと思います。
りっせん Rissen
VUCAの時代(先が見えない、変化が激しい時代)の世界の変化を、東京にとってメリットに変えるために考えられた政策と知って、自分が住んでいる都市の将来の安全が保障されていることに安心しました。
また、詳しいことはポケット版には載っていなかったので、本編を確認すると詳細な内容が書かれており、さまざまなアイデアが取り入れられていると感じました。
スマートシティの部分については、もっと知りたいと思いました。世界的にデジタル化がトレンドで、東京もそれに踏み出しています。
一方でデジタル化についていけない人も一定数いると思います。
デジタル化して終わりではなく、デジタル化した後どのように普及させていくのかが気になります。
- クイズの答え:
- C. 約3万人