中学生・高校生が聞く!
東京の台所、豊洲市場ってどうなってるの?
Part.1 豊洲市場の裏側に潜入!&仲卸業者さんに直撃取材
Part.1 豊洲市場の裏側に潜入!
築地市場から移転し、2018年に開場した豊洲市場。今回はこの豊洲市場に潜入取材。スーパーで売っているお魚って、どんなルートをたどってスーパーに並ぶの? よくテレビで見る「せり」って誰がどんなふうにしてるの? 仲卸さんってどんな仕事? 3人の取材メンバーがしっかりと深掘りしてきました!
今回の取材メンバー
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りさ Risa -
オイヤン Oiyan -
なつき Natsuki
お話を聞いたのは…?
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谷口浩之さん Mr. Taniguchi
豊洲市場管理課 -
吉橋善伸社長 Mr. Yoshihashi
株式会社吉善
訪れたのは…?
東京都中央卸売市場豊洲市場
2018年に開場した豊洲市場。魚介類やその加工品などの水産物と、果物や野菜などの青果物を取り扱っている。閉鎖型施設の特長を活かし、商品の特性にあったエリアごとの適温管理や、外気や虫、ホコリの流入対策など、徹底した衛生管理が行われている。
まずは豊洲市場の仕組みについて聞いてみた!
東京には豊洲市場以外にも
たくさん卸売市場があるんですか?
東京都には11の中央卸売市場があります。
ここ、豊洲市場はそのうちの1つです。
谷口さん: Mr. Taniguchi: 市場と名前がつく施設は都内にたくさんありますが、卸売を行っている東京都の卸売市場は中央卸売市場と呼ばれ、都内に11カ所あります。それぞれ、扱っている品目が違い、たとえば大田区にある大田市場は魚などの水産物、果物や野菜などの青果物、“花き”と呼ばれる生花などを扱っています。港区にある食肉市場は食肉の専門市場です。ここ豊洲市場も中央卸売市場の一つで、豊洲市場では水産物と青果物を扱っています。今日の取材では水産物の部分を見ていただきます。
市場によって取り扱っているものが違うんですね!
各地で獲れたお魚などが、私たちが普段買い物をするスーパーに並ぶまでってどんなルートをたどっているんですか?
各地から出荷された水産物が市場に集まり、卸売業者が仲卸業者に販売し、仲卸業者がスーパーなどの小売業者や飲食店に販売して、私たちの元に届きます。
谷口さん: Mr. Taniguchi: 魚はまず港にある魚市場に水揚げをして種類別に分けられ、この豊洲をはじめいろいろな市場に運ばれます。もちろん東京以外に運ばれていくものもあります。まず卸売業者が出荷者から品物を集荷し、それから仲卸業者などに販売します。この販売方法の一つがせりと呼ばれているものです。せりに参加できるのは、仲卸業者と一部せりに参加する資格を持っている小売店などです。このせりに参加する資格を持っている小売店を売買参加者と呼びます。仲卸業者は市場内に店舗を構えていて、買出人(かいだしにん)と呼ばれる小売業者、飲食店などに販売します。その後スーパーなどに商品として並ぶことになります。
スーパーに並ぶまでには、たくさんの人の手を渡ってくるんですね。
豊洲市場の特長を教えてください。
豊洲市場は完全に外部と遮断する形になっている、
閉鎖型施設です。
谷口さん: Mr. Taniguchi: 豊洲市場の最も大きな特徴は、他の市場と違い、完全に外気を遮断した閉鎖型施設だということです。外からのホコリや虫などが入ってこないような構造になっています。また、閉鎖型施設であることで、エリアごとに、それぞれの品物に適した温度管理をすることが可能になっています。たとえばマグロであれば、年間を通して10℃以下に設定されています。地上で見ると、せりが行われる水産卸売場棟と、仲卸業者が店舗を構える水産仲卸売場棟は別の建物になっていて、間を道路が通っていますが、道路の下の1階部分はトンネルのような構造になっていて、品物を外に出さずに運べるようになっています。
実際に豊洲市場の中を見学してみよう!取材者用のビブス(ベスト)を着て出発!
これは、過去入荷した中で一番大きかった、マグロの実物大の模型です。
谷口さん: Mr. Taniguchi: 1986年、40年ほど前ですね。種子島沖で日南市の漁港の漁船が釣りました。入荷した時点での重さは496kg。市場に来たときにはすでに内臓は取ってあるので、生きているときは500kg以上あったことになります。全長は2m88cmです。当時1kg7,000円で取り引きされました。1kg7,000円は現在でもそこそこ高い値段です。皆さんがテレビで見る初せりでは、よく1億、2億という金額を聞くと思いますが、あれは初せりのみの特別な値段です。
じゃあこの大きさのものが初せりに出たら、すごい金額になっちゃいますね!
ここから先は魚があるクリーンゾーンになります。しっかり手を洗いましょう。
谷口さん: Mr. Taniguchi: 石鹸で手を洗って、水で流して乾燥させる。この一連の流れがどこにも触らず、センサーでできるようになっています。さらにそのあと、アルコール消毒もします。また、扉の開け閉めもすべて触らずにすむよう、センサーで開閉されるようになっています。
ここはマグロのせりが行われる場所。床が緑なのは魚の身の色が良く見えるためです。
谷口さん: Mr. Taniguchi: 左上に見えるガラス張りのところが一般の見学者が入れる場所で、皆さんがいるこの場所はより臨場感が味わえるようになっています。こちらもネットで申し込んで抽選に当たれば、一般の方でも入ることができます。音声も上はスピーカーですが、ここでは生で聞くことができますし、匂いも感じられるんです。テレビで流れる初せりの映像もこの場所から撮影されています。床の色が緑色ですが、これは魚の身の色が良く見えるため。1日平均で生のマグロが200本、冷凍のマグロが1,000本取引きされています。
ここは1年中10℃以下に保たれています。真夏など、外気温と20℃以上差があることになりますね。
これが市場内で荷物を運ぶのに使われているターレです。
谷口さん: Mr. Taniguchi: これは展示用なので動きません。実際には結構スピードが出ますが、安全のため時速8km以下で走行するルールになっています。
動かなくても楽し~い!
プロの“目利き”仲卸業者さんを直撃!仲卸の仕事とは?
さまざまな港で獲れた魚はどうやって豊洲市場に集まってくるんですか?このお店に品物が並ぶまでの時間の流れも教えてください。
飛行機やトラック、船で来る場合もあります。品物によってせり時間の始まりは異なりますが、だいたい朝の4時台から5時。6時くらいまでには店に並びます。
吉橋社長: Mr. Yoshihashi: ここには日本全国はもちろん、海外からも水産物が集まってきます。獲れた場所にもよりますが、飛行機やトラック、船で運ばれてくる場合もあります。前日の夜8時くらいから、深夜2時くらいまでの間に品物が集まってきて、せりが始まるのがだいたい4時台から5時くらい。私たちはその前に下見を行います。ものによっては深夜2時くらいから取引きが始まるものもあり、6時くらいまでには店頭に並びます。スーパーのバイヤーさんは5時くらいから来始めて、お寿司屋さんや魚屋さんが来るのは7時くらいです。
卸売業者と仲卸業者の仕事の違いって何ですか?
仲卸業者の一番の仕事は、やっぱり“目利き”です!
吉橋社長: Mr. Yoshihashi: 卸売業者さんが集荷してせり場に届いたものって、どうしてもまとまってありますよね。だけどひとつの箱でせり落としたものでも、その中で良い悪いが結構あるんです。だからその箱の中から、これは高級お寿司屋さん用だな、とか、これは居酒屋さん用だなというのを見極めて販売していく。あと1kg1,000円で買ったものでも、これは魚が良いから2,000円で売れるな、とか、逆にちょっと品質が落ちるから500円でしか売れないな、とか。それが目利きの力であり、私たち仲卸の一番大事な仕事です。
その目利きの力ってどうやって養うんですか?
やっぱり経験ですかね。あとはお客さんとの対話。お客さんの顔を思い浮かべながら、これはあの人のところに良さそうだ、ってせり落とすこともあります。
さっき高級なお寿司屋さんと居酒屋さん、というお話がありましたけど、買ってくださる方によって値段の設定も違ってくるんですか?
もちろん違います。
吉橋社長: Mr. Yoshihashi: たとえば私はウニを担当してるんですけど、今日だと1枚4,000円くらいから15,000円くらいまで値段の幅があるんです。それをお客さんの好みに合わせて買う、というのも仲卸の醍醐味です。
せり勝てなかったり、
失敗することって無いんですか?
もちろんあります(笑)。
吉橋社長: Mr. Yoshihashi: そのときの入荷量でも違いますし、仲卸業者同士で欲しいものが被る場合もあります。自分が、これは5,000円くらいで落とせるなと思ったら8,000円だったり、その逆も。「今日、注文が入っているから、これ絶対落とさなきゃ」というときに、ほかの仲卸業者がずっと同じ品物を見ていたり。そんなときは駆け引きしたりもしますね。おもしろいですよ!
築地から豊洲に場所が移って、何か変わったことはありますか?
やはり完全閉鎖型で温度管理がしっかりできること、衛生管理がしっかりできることが大きいですね。
吉橋社長: Mr. Yoshihashi: ただ良いことばかりではなくて。うちのお客さんは銀座や赤坂、六本木なんかのお店も多いので、築地から豊洲に移って遠くなってしまった分、配達に時間がかかるようになりました。そうした地域のお客さんが来る頻度も少なくなっている気もします。
仲卸業者として常に心掛けているのは
どんなことですか?
挨拶とプライドです!
吉橋社長: Mr. Yoshihashi: 見ていただけるとわかるように、これだけたくさんお店があるじゃないですか。置いているものも値段も、そんなには変わらないんです。だったら買いやすいところ、気持ちのいいところで買いたいですよね。だから社員全員、元気よく、気持ちのいい挨拶をすることを心がけています。あとはやっぱり目利きだったら他には負けない、自分が一番だ、というプライドですね。
見学者の方に「ここを見て欲しい!」と思うのはどんなところですか?
豊洲は水産物では世界一の市場、その規模感を感じてください!
吉橋社長: Mr. Yoshihashi: 豊洲は集まってくる魚の種類と量の規模は日本一、いえ、世界一だと思います。この規模感を感じてもらえるとうれしいですね。
クイズに挑戦 !!
クイズで楽しく振り返ろう!
Q.豊洲市場でせりが始まるのは何時から?
*答えは記事の最後に掲載。記事の中にも答えがあるよ!
取材を終えて
りさ Risa
豊洲市場で取材を行い、普段スーパーで並んでいる鮮魚がどこから来ているのかを知ることができ、とてもおもしろかったです。
仲卸業という仕事自体をこの取材・インタビューのなかで初めて詳しく学んだのですが、経験がとても重要な仕事であるということを伺い、とても興味深かったです。
失敗から学ぶことが多いと伺い、何事も経験が大切なのだと感じました。
また、吉橋社長が挨拶を大事にしているということを知り、人との関わりも重要な仕事であることを感じました。
オイヤン Oiyan
実際にマグロのせりが行われている場所、仲卸業者さんの店舗が並んでいる場所を見ることができ、とてもおもしろかったです。
市場の中はターレがバンバン通っており、仲卸業者さんの仕事は“目利き”というのも、興味深かったです。
なつき Natsuki
魚を取り扱うゾーンに入るとき、手洗いからドアまで、一度清潔にしたらどこにも触れないようにする工夫がされていました。
このような一つひとつの取り組みが、豊洲市場というところを、私たち東京都民の生活に不可欠な市場に位置づけ、その価値を高めているのだと感じました。
学校の勉強で、仲卸業者の方がどのようなことを行っているかは理解しているつもりでしたが、実際にそこに携わっている人にお話をお聞きしてみると、皆さんが普段感じている苦労やせりについてなど、教科書を読んだだけではわからなかった新たな気づきを得ることができました。
- クイズの答え:
- A. 4時~5時
AI英会話コンテンツでも、「豊洲市場」の紹介がありますのでチャレンジしてみてくださいね!
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