中学生・高校生が聞く!
無料バスでアートをめぐる!中高生にもおすすめ、「アートウィーク東京」
Part.1「アートウィーク東京」っていったい何? 取材メンバーが全貌を深掘り!
Part.1「アートウィーク東京」
2021年から行われている、「アートウィーク東京(AWT)」。「アートウィーク東京」は東京の現代アートの創造性と多様性を国内外に発信する、年に一度のイベントです。いわゆる「メイン会場」となるものは無く、都内の50以上の美術館・ギャラリーでさまざまな展覧会やイベントが行われています。美術館やギャラリーを自由に巡ることができる無料のシャトルバスも!「『アートウィーク東京』では具体的にどんなことが行われているの?」「このイベントが行われている目的って?」取材メンバーが深掘りしてきました!
今回の取材メンバー
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しずな Shizuna -
のんのん Nonnon -
りさ Risa -
りっせん Rissen
お話を聞いたのは…?
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塩見有子さん Ms. Shiomi
NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト] 理事長
訪れたのは…?
大倉集古館
大倉集古館は、明治から大正時代にかけて活躍した実業家、大倉喜八郎が、1902年に自邸内に開館した大倉美術館を前身とする。喜八郎は、ホテルオークラの創業者である大倉喜七郎の父であり、大倉集古館はホテルオークラに隣接している。現存する日本最古の私立美術館であり、日本で最初の財団法人の私立美術館。国宝3件、重要文化財13件、重要美術品44件を含む美術品約2,500件が収蔵されている。2025年の「アートウィーク東京」では、特別展「AWT FOCUS」の会場となっている。
「アートウィーク東京」は、いろいろなアート作品に、多種多様な人が触れることのできる機会
「アートウィーク東京」はどのようなイベントなのでしょうか?
都内50以上のアートスペースで行われる展覧会やイベントを自由に巡ることができます。
塩見さん: Ms. Shiomi: 「アートウィーク東京」は、2021年から始まりました。イベントと言うと、どこかメイン会場があって、というのが普通だと思いますが、「アートウィーク東京」にはメイン会場はありません。例えば2025年の場合は都内にある50以上の美術館・ギャラリーなどのアートスペースでそれぞれが開催する展覧会のほか、パブリックスペースで上映される「AWT VIDEO」、建築・食・アートのコラボレーションである「AWT BAR」、シンポジウムや講演が行われる「AWT TALKS」など、さまざまなイベントを自由に巡っていただきました。
「アートウィーク東京モビールプロジェクト」もイベントのひとつですか?
無料のシャトルバスがアートスペースをつなげ、自由に乗り降りできるプロジェクトです。
塩見さん: Ms. Shiomi: 2025年の場合、「アートウィーク東京」の開催期間は11月5日(水)~9日(日)の5日間ですが、7日(金)~9日(日)の3日間は、7ルート(※)設定された「AWT BUS」という無料のシャトルバスで、都内のアートスペースを巡ることができました。自分の好きなところで降りて美術館やギャラリーなどでアートを鑑賞し、またバスに乗って次のところに行ける、という感じです。みんながバスで移動していろいろなところに行く、という意味で「モビールプロジェクト」なんです。バスに乗れば次々とアートスペースに連れて行ってくれるので、美術鑑賞初心者の方にもおすすめです。皆さんアートスペースを巡るという同じ目的を持った人がバスに乗っているので、知らない人にもちょっと勇気を出せば「今の展覧会、どうでした?」みたいに話しかけることができる、カジュアルな雰囲気になっています。
(「アートウィーク東京」2025年のパンフレットより)
キッズ・ユースが気軽にアートを体験できる、「AWT FOCUS」でのワークショップ
ここ、大倉集古館ではどのような展覧会が行われているのでしょうか?
作品鑑賞と作品購入という2つの体験を掛け合わせた「AWT FOCUS」という特別展と、キッズ・ユース向けのガイドツアー&ワークショップを行っています。
塩見さん: Ms. Shiomi: 普通、アート作品を鑑賞するなら美術館、購入するならギャラリーと用途が分けられていますよね?この「AWT FOCUS」という特別展は、展示されているほとんどの作品を購入することができる、作品鑑賞と購入の両方の体験ができる展覧会です。今回のテーマは「What Is Real?(リアルとは?)」をテーマに監修されています。また、「自分にとってリアルとは何か?」を考えるワークショップとガイドツアーを私が担当していて、キッズ(親子、小学生)向けとユース(中高生以上)向けに行っています。
キッズ・ユース向けのガイドツアーやワークショップを行う目的を教えてください。
「未来」そのものである皆さんに、芸術文化に早くから親しんでいただくことが、将来の芸術文化を守ることにつながると思っています。
塩見さん: Ms. Shiomi: 小学生や中高生である皆さんは、「未来」そのものですよね。未来を生きる皆さんに早いうちから芸術文化に触れる楽しさを知っていただき、その楽しみをずっと持ち続けていただくことは、とても大事なことだと思います。皆さんの人生を豊かにすることはもちろんですが、「文化を守る」という意味でもとても大切なんです。文化は守らなければ奪い取られてしまう可能性のあるものだ、ということが歴史を見てもわかります。戦争などが良い例ですよね。物理的に作品を守ることもそうですが、文化が持っているさまざまな力、たとえばいろいろな意見を受け入れる力や、何か知らないものの扉を開いてくれる力、そうした文化を守り続けていくために、未来である皆さんを対象としたガイドツアー、ワークショップを行っています。
どのような人に「アートウィーク東京」に参加して欲しいですか?
芸術に興味のある方、そうでない方、どなたにでも参加していただきたいです!
塩見さん: Ms. Shiomi: もともと芸術文化に興味があって、もっと知りたいと思っている方、ちょっと興味はあるけどハードルが高いと思っている方、興味があるかどうかもわからないという方、あらゆる方に参加していただきたいです。実は美術館やギャラリーって、馴染みがないと行きづらい場所にあると感じることも多いんですが、「モビールプロジェクト」ではたくさんのアートスペースをバスでつないでいるので、1日でたくさんのアート作品に触れたい方、アクセスに不安のある方、普段ギャラリーなどに入りづらいと思っている方など、あらゆるニーズに応えられると思います。
アート作品を観ることは自分に対する発見をすること
どのようなときにやりがいを感じますか?
皆さんが変わっていく瞬間に立ち会えたときです。
塩見さん: Ms. Shiomi: アート作品を観ると、いろいろな発見がありますよね。それは作品に対する発見だけではなく、自分に対する発見だと思うんです。作品を観て、“こんなことを考えた”という自分に対する発見。それって自分が変わっていくきっかけのひとつなんじゃないかと思います。意識が変わったり、考え方や見え方の変化、関心の幅が広がるのも変化ですよね。そんなふうに人が変わっていく瞬間に立ち会えたときに、本当にやりがいを感じます。
私たち中高生にメッセージをお願いします。
自分なりのアートの楽しみ方を見つけてください!
塩見さん: Ms. Shiomi: アート作品を観て、楽しいな、美しいなという楽しみ方ももちろんですが、複雑さや難しさも楽しみのひとつだと捉えて欲しいなと思います。作品によっては、ちょっと嫌だなと感じるものがあるかもしれません。アートには美しいものだけでなく、死や戦争、憎しみなど、私たちがふだん触れたくない要素も入ってきます。触れたくないけれど、それもやっぱり現実のひとつなんですよね。そうしたことをアートを通して考えていく作業は頭と心の体操になると思うので、ぜひ体験していただきたいですし、自分なりのアートの楽しみ方を見つけて欲しいと思います。「アートウィーク東京」はそのきっかけになると思うので、ぜひ次の「アートウィーク東京」に参加してみてください!
クイズに挑戦 !!
クイズで楽しく振り返ろう!
Q.「アートウィーク東京」が行われているのは何年に1回?
*答えは記事の最後に掲載。記事の中にも答えがあるよ!
取材を終えて
しずな Shizuna
美術館やギャラリーは他者の美術感覚を覗ける場所だと思います。
自分とは違う考え方の人の頭をのぞいている感覚で、他者と自分の境界線を引くことができるいい経験だと思いました。
特に現代アートは自由度が高いので、どんな考え方をしてもいいのが魅力だと感じます。
自分の脳を拡張できるみたいな感覚です。
次回、予定が合えば、ぜひ個人的にも参加したいです。
また美大受験を考えている人にもお勧めしたいと思います!
のんのん Nonnon
複数の美術館を無料のシャトルバスで巡りながら、一人ひとりが新しいアートの見方を発見できる点にとても魅力を感じました。
キッズ・ユース向けのガイドツアーやワークショップがある点も大きな魅力だと思います。
アートに詳しくなくても、ガイドの方がその人だけの視点や気づきを引き出してくれるので、「何がアートなのか」「これもアートなのか」という自分なりの答えを見つけることができます。
来年は無料シャトルバスで複数の美術館を巡り、より多くの作品と向き合いながら、自分なりのアートを見つけてみたいです。
りさ Risa
とても有意義な取り組みだと思いました。
美術館巡りをしたくても、距離があって難しいという問題を解決するために、各美術館を回るバスを運行しているのが、普段から美術館を訪れる人、普段訪れない人両方に便利で、とてもいいなと思いました。
もともと私は美術館を訪れることが好きだったのですが、今回「アートウィーク東京」に参加したことによって、さらに美術が好きになりました。
来年は「AWT BUS」にも乗って展覧会巡りをして、さまざまな種類の芸術を楽しみたいです。
りっせん Rissen
中高生もイベントであれば美術館を訪れやすいのではないかと感じました。
まだ多くの中高生は知らないイベントなので、学校や駅にポスターを貼って知らせて欲しいです。
どこの美術館に行けばいいかわからない、それ以前にどんな美術館が東京にあるのか知らなくても、参加すればバスで連れて行ってもらえるところが良いと思いました。
今まで両親としか美術館に行ったことがありませんでしたが、来年はこのイベントに参加して、一人でじっくり観たいと思います。
- クイズの答え:
- A. 1年に1回